2019年 08月 13日
《 盂蘭盆 》
少しでも早くと胡瓜の馬で迎え
お盆の終わりに
茄子の牛の唐辛子の赤い座布団に坐って
ゆっくりと惜しむように帰っていってほしいと。
胡瓜の(精霊馬)。 茄子の(精霊牛)。
夕方
迎え火を焚く。
提灯に蝋燭をともす。
朝顔がさく。
《 盆の入り 》
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「迎え火の爆ぜておがらの香ばしく」 安寿
「一束の地の迎火に照らさるる」 多佳子
「声かけて行く人に迎火の顔あげる」 放哉
「風が吹く佛来給ふけはひあり」 虚子
「盂蘭盆や葵も高く花を終ふ」 汀女
「きらきらと一と降りしたり盆の雨」 月二郎
「新盆やひそかに草のやどす露」 万太郎
「仏壇の桃の匂いに線の香」 四福助
「冷え冷えと箸とる盆の酒肴かな」 蛇笏