2017年 01月 17日
《人家・・・(尋ね人の時間)》
薪 ノ爆ゼル音。
(尋ね人の時間)
(昭和20年春、○○部隊に所属の××さんの消息をご存じの方は、
日本放送協会の『尋ね人』の係へご連絡下さい。)
(シベリア抑留中に○○収容所で一緒だった○山○夫と名乗った方をご存じの方は、
日本放送協会の『尋ね人』の係へご連絡下さい。
(旧満州国竜江省チチハル市の○○通りで鍛冶屋をされ、「△△おじさん」と呼ばれていた方。
上の名前(あるいは、苗字)は判りません。
(ラバウル航空隊に昭和19年3月まで居たと伝え聞く○○さん、
××県の△△さんがお捜しです。
(昭和○○年○月に舞鶴港に入港した引揚船「雲仙丸」で「△△県の出身」とおっしゃり、
お世話になった丸顔の○○さん。
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(これらの方々をご存じの方は、日本放送協会まで手紙でお知らせ下さい。
手紙の宛先は東京都千代田区内幸町、内外(うちそと)の内、幸いと書いて「うちさいわいちょう」です。
抑揚ノナイ声ガツヅク。
薪ノ爆セル音。
椅子が茫然としているではないか。
その上に腰をかけて
編物をしている娘もなく
暖炉に坐る黒猫の姿も見えない
白いがらんどうの家中で
私は物悲しい夢を見ながら
古風な柱時計のほどけて行く
錆びたぜんまいの響を聴いた。
じぼ ・ あん ・ じゃん!